お月様が美しいころです。秋が深まりますと、九州有明海でも海苔の養殖が始まります。
おいしい、おいしいと言っていただく「縁起のり」も九州有明海産の一番摘みを使用しております。
海藻の本 西澤一俊、村杉幸子様が書かれた本の中からご紹介させていただきます。
ノリは生活史(7章参照)に従い、秋の彼岸頃から春の彼岸にかけて成体として生育するので
一般に12月から翌年2月にかけて収穫する。
その後、ただちに陸上の工場に運び、水洗いによって付着しているケイ藻や汚れを除いた後
裁断機で細かく切断してペースト状にする。それを自動機械に誘導して、流れ作業でまず四角
(21センチ×19センチ)に漉き、ついで40℃に調節された温風で乾燥し、最後に10枚を
一束(一帖)にして仕上げてから、品質検査にかける。そこで等級をつけられた製品が出荷となる。
これが普通の「干しノリ」製品で、一枚の平均重量は3gである。ノリの生産額は普通この枚数で
あらわす。たとえば、1965年の日本全体の生産額は約30億枚、1978年には約80億枚、
1983年には108億枚であった。
製品と加工
干ノリを焦がさないように、赤外線で短時間焼いた製品は、「焼きノリ」として販売され
また砂糖や醤油などの調味料で味を付けてから乾かした「味付けノリ」も一般の製品に
なっている。
栄養のこともたくさん書かれているのですが、今回は最近よく聞く「EPA]という脂肪酸に
が海苔には含有されているので、そのことを記載されているところをご紹介させていただきます。
EPA-ノリの脂肪酸のうちもっとも多いのはEPAである。1970年代後半に、デンマーク
のバングおよびダイエルバーグという二人の学者が、フィンランドで伝統的な暮らしをしている
エスキモーと、デンマークに住み、デンマーク人と同じ食生活をしているエスキモーの血液中の
EPAの含有量を比較測定した結果、フィンランドのエスキモーの方がはるかに多かった。
それと同時に、疫学的に調査した急性心筋梗塞患者や糖尿病患者、その他血栓形成の傾向は
はるかに少なかった。
コレステロールは脂質の一種で水に不溶のため、リポタンパク質と結合して血液中に分散して
いる。このリポタンパク質にはコレステロールが多く結合し、全体の比重が低くなっているもの
(LDL)と、コレステロールの結合量が少ないため、比重が高くなっている」もの(HDL)の二種類が
ある。
LDLは、コレステロールを肝臓から体内の細胞や血管壁に運ぶ役割をもち、HDLはその反対に
血管壁などのコレステロールを肝臓にもどす役割をする。したがってLDLが多くなると、血管壁に
余分のコレステロールが付着してその硬化をうながすことになり、HDLが多くなるとその逆の効果を
あらわすことになるので、俗にLDLを悪玉リポタンパク、HDLを善玉リポタンパクなどという。
EPAを多くとると、善玉のHDLが増え、悪玉のLDLが減少する。
途中はかなり専門的な内容になっていたので、EPAについて書かれているとこを紹介します。
EPAは、イワシやサンマに多く含まれていることはよく知られているが、海藻、とくにノリにも
案外多いことは知られてないようである。1枚のノリ(3g)には20~30ミリグラムのEPAが
含まれていることになる。
今回はEPAが海苔に多く含まれていることをご紹介させていただきました。食物は、食は命なりで
好きなもの、食べたいものが、さらに身体を健康に保つものであれば、こんなうれしいことは
ないですね。わたくしは、一日縁起のり全形1枚から2枚は毎日食べますが、特に食事中ではなく
夕方仕事をしながら、お茶請けに食べたりもします(笑い)食品製造の弊社では、味見も含めて
特にめずらしい光景ではなく、自社製品は、社販にて購入して、ばりばりと一息をしております。
今日は、お月様をながめながら、家に帰ることになります、、ある有名な昔の作家の方の
の本の中に確か
月がきれいですね。 と手紙を書いた内容があります。心からの愛情の表現だそうです。
同じものを見て、きれいだと共有する気持ちは、マスクをしていても、握手をしなくても
ほんわりと伝わるのではと感じてます。
季節の変わりめのおり、お体たいせつになさってくださいませ。
名島屋 井口知子