あなたのために という辰巳芳子さんの料理の本があります。
その中に「つゆもの、スープ}と人のかかわりの神髄は、と問われましたら
あらゆる理論を超えて「一口すって、ほっとする」ところ。いみじくも
「おつゆ」と呼ばれている深意と答えたいと思います。
昔買った、この本を開くことになるとは。
かぼちゃのスープ、サトイモのスープ、サツマイモのスープ。
名島屋のだしで皮をむいたお野菜を小さく切って、ことことと柔らかくなるまで煮ます。
しゃもじでつぶして、つぶして、ほとんどなめらかになるまで、よくなるようにとつぶします。
そこに、赤ちゃん用の粉ミルクをほんの少しいれて出来上がり。
母が2月に床について2週間、一日も早くもとに戻るようにと作り、たまに持っていきました。たまにです(笑い)
桜が咲き、新緑が輝き、押し車を押して、名島屋の作業場に天気のよい日は歩いて
来てくれるようになりました。
春がきて、花を活けてくれました。
名島屋 井口 知子